変わらないことは悪か?
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。の5巻に、以下のようなことが述べられていました。
成長も進化も変遷も、本当に喜ばしくて正しくて素晴らしいものなのだろうか。
俺は変わらないでいることを否定しない。過去の俺も、今の自分も否定する気はさらさらない。
変わるなんてのは結局、現状から逃げるためなんだ。逃げることを選ばないなら変わらないでそこで踏ん張るべきだ。
変わらないこそ得られるものだってある。進化をBボタンでキャンセルすると技覚えんの早くなるのと一緒だ。
この内容を見て、結構衝撃を受けました。
今、僕自身は変わろうと思って色々な行動を取っています。
本を読むこと、ブログを書いてアウトプットすること、筋トレすることなど、
今の自分ではだめだ、自分を変えないと人から評価されない、自分が認められる人間になれないと思うからです。
それをこの本の主人公は否定しているわけです。
ただここで言っていることもよくわかるのも事実です。
そのため、タイトルで書いたように「変わらないことは悪か?」ということを
考えてみたいと思います。
1. 変わること/変わらないことの比較
まずは変わること/変わらないことの比較をしてみたいと思います。
以下の表にまとめました。
メリット | デメリット | |
変わること | ・なりたい自分になれる ・嫌な自分とサヨナラできる ・今よりも良い状況になる可能性が高い |
・努力が必要 ・時には辛い現実を見ることや厳しい努力が必要 ・必ずしも良くなるとは限らない |
変わらないこと | ・努力しなくて良い ・何より楽 |
・なりたい自分があってもなれない可能性がある ・自分の嫌な部分がそのまま残る ・変わらないことを批判される可能性もある |
このように書き出して見ると、自分の考えとしては、
変わることの方がメリットが大きく感じる、です。
一方で変わらないのメリット/デメリットを書き出してみた感想としては、
変わらないことを良しとするのは、ただ努力を放棄しているだけ、ダメな自分をも肯定して無理やり納得しようとしている
という感想を抱きました。
2. 冒頭の記述に立ち返ってみる
ここまでは変わることが良いという結論を出しましたが、
改めて本に記載された内容に立ち返ってみます。
成長も進化も変遷も、本当に喜ばしくて正しくて素晴らしいものなのだろうか。
ここだけ切り取ると、確かに何もかも良いものではないでしょう。
例えば、ある女性が好きだったという設定です。
その人の特徴としては、性格がおっとりしていて、少し天然なところもあり、助けてあげたいという庇護欲を刺激するタイプだったとしましょう。
そんな彼女がこんな自分ではダメだと奮起し自分を変えました。
今では性格はしっかりしていて、物事を論理的にこなし、何でも1人でこなせる女性となったとします。
その場合、好意を寄せていた男性はどうなるでしょうか。
「俺がいないとだめだなところが良い」、「天然でおっとりしていたところが可愛い」というところに好意を持っていたのであれば、もしかすると変わってしまった彼女に失望してしまうかも知れません。
この男性に取っては、成長した女性は喜ばしいものではないのです。
俺は変わらないでいることを否定しない。過去の俺も、今の俺も否定する気はさらさらない。
過去の自分を否定しないというのは同感です。
そんなことをしても何にもなりません。
今の自分についてはまだ納得はできません。
納得はできませんが、明確に否定できる材料が僕の中にありません。
そもそも自分を否定しないのであれば、自分で嫌だと感じる部分や変えたいと思う部分が発生すらしないわけだからです。
変わるなんてのは結局、現状から逃げるためなんだ。逃げることを選ばないなら変わらないでそこで踏ん張るべきだ。
これには納得ができません。
例えば勉強やスポーツができなくてクラスメイトからバカにされたとする、
悔しいと思って必死に努力し自分を変えた。
これを「逃げた」と捉えることは僕にはどうしてもできません。
穿った見方をすれば、「バカにされたことから逃げる」ということでしょうか。
変わらないでそこで踏んばるべき、をこのケースに当てはめると、
「クラスメイトからバカにされたとしても、変わらないでそこで踏んばるべき」
となりますが、こんな踏んばり方に何の意味すら感じません。
変わるという努力から逃げている、というのが僕の考えです。
変わらないこそ得られるものだってある。進化をBボタンでキャンセルすると技覚えんの早くなるのと一緒だ。
この例えには笑ってしまうくらい共感しました。なにせ世代なので。。。
この文を読んで、確かに変わることだけが良いこととは限らない。
と感じました。
3. 結論
長くなりましたが結論をまとめたいと思います。
結論としては、変わらないことは悪ではありません。
ただし、変わることの方がメリットが大きいと個人的には思います。
尚、変わらない場合の良い面もあります。
- 好意を抱く人の変化が必ずしも歓迎すべきものと限らない
- 自分を否定しなければ、そもそも欠点がないので変わろうとする必要性がない
- 変わらないことで得られるものもある
これだけ書くと、「変わらない方が良いのでは?」と思うかも知れません。
しかしそうではないと思います。
1. については、あくまで主観です。他の人から見たら良い変化かも知れないし、
何より相手自身は変化したことにとても満足しているかも知れない。
2. については、まず欠点がない人間はいません。
欠点から目を背け、無理やり肯定していると捉えることもできます。
3. について、これは裏返しただけですが、変わることで得られるものもあります。
漠然と考えがモヤモヤしていましたが、
こうして書き出すことによってやっと整理することができました。
やはり書き出すことは大事だとより強く感じる投稿でした。
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